こんにちは、ぽんかも(妻)です。
突然ですが、皆さんは旅行は好きですか?わたしたちは国内・海外問わず、旅が大好きです!LCCがこれだけ発達したおかげで、旅行へのハードルは一昔前に比べて随分下がりましたよね。日本を訪れる訪日外国人も右肩上がりに増えています。
ただし、旅行の機会が世界中いろんな人に広がったこと自体は素晴らしい事ですが、実はその裏で様々な問題が表面化している事をご存じですか?自分が旅をすることで、旅先の環境や文化を破壊しかねない…悲しいですが、 今のままの旅の仕方には、そんな危険性が潜んでいるんです。
そこで、今日はそんな事態を打開する『サステイナブル・トラベル/持続可能な旅』についてご紹介します。
など、サステイナブルトラベルの入門編をご紹介しますので、ぜひ今後の旅の参考にしてみてくださいね!
- 『サステイナブル・トラベル/持続可能な旅』ってなに?
- どうして今、サステイナブル・トラベルが必要なの?
- 今から出来る!サステイナブル・トラベルの15の取り組み
- 私たちが実際やっているサステイナブル・トラベルの取り組み
- サステイナブル・トラベルに取り組む上で注意したいこと
- 脱・インスタ映え旅行!サステイナブル・トラベルへシフトしよう
『サステイナブル・トラベル/持続可能な旅』ってなに?
ではまず最初に、「サステイナブル・トラベル」って何かをご説明します!簡潔にポイントをまとめてくれているサイトがあったので、まずはそちらから引用させていただきます。
サステイナブル・トラベル:
旅先の自然環境や文化、またその地に住む人たちの生活に配慮した選択を心掛けながら旅行すること。旅行に出る時点で環境に負荷をかけてしまってはいるが(ゴミを出したり、飛行機に乗ったり…)、 出来るだけ旅先の環境にやさしい選択をしていくこともとても大事なポイントとされる。
日本の観光業界では『サステイナブル・ツーリズム持続可能な観光』という言葉の方が浸透しているようですが、ここでは個人的な旅の姿勢について考えたいので、「サステイナブル・トラベル/持続可能な旅」を採用します。
サステイナブル・トラベルで大切な2つのポイント
おさらいいすると、サステイナブル・トラベルのポイントはこちらの2つ!
- 旅先の住人や文化へのリスペクト
大勢の観光客が押し寄せることで地元の方の暮らしに迷惑が掛かっていないか、マナーを守って観光出来ているかが重要 - 旅先含め、地球全体として環境への配慮
特にリゾート地などにおいて、旅先の環境を破壊していないか。個人レベルでも観光客全体としても配慮が必須
ちなみに2017年には、国連が「開発のための持続可能な観光の国際年」と定めたことにでサステイナビリティ(持続可能性)は世界共通のキーワードになり、観光業界でも注目を集めるようになりました。個人レベルでももっと認知度が上がったらいいですね!
どうして今、サステイナブル・トラベルが必要なの?
さて、どうしてサステイナブル・トラベルが世界で注目を集めているのでしょうか?
どうして今までの旅行の仕方ではいけないんでしょうか?
ちょっと難しい話をすると、これまでの旅行はいわゆる「マスツーリズム」と呼ばれるもので、観光や旅行が幅広い層の人に広まり大衆化したものでした。旅行の低価格化が進んだり、観光を国の根幹産業に据える観光立国が生まれるなど、マスツーリズムがプラスに作用した面もありますが、 あまりに大衆化し大量の旅行者が溢れたことで弊害が伴っているのが現状です。
実際に起きている弊害としては、こんなものが挙げられます。
- 環境破壊
- 文化の侵害
- 観光地の疲弊
- 旅行者のモラル問題
- 環境破壊:特定の場所に人が集中し、過度な環境負荷がかかる
観光客の増加により海洋生態系が破壊されたため、ピピレイ島(タイ)のビーチが観光客の立ち入りを禁止したのは去年のこと。フィリピンのボラカイ島も環境破壊を理由に同時期に観光客立ち入りを禁止していました。
記憶にも新しいこの一件から、オーバーツーリズムという言葉も良く聞かれるようになりましたね。 - 文化の侵害:観光客に迎合して本来の文化の姿を変えてしまう
オーストラリアのアボリジニによるショーやバリのケチャなど、 本来は信仰や伝承のための文化だったものや疫病平癒・魔除けの儀式だったものが観光客に見せるための観光商品になってしまったものは多くあります。本来の文化の姿から乖離して見世物になってしまうのはとても残念です。
- 観光地の疲弊:団体(大人数)を受け入れるための設備投資
メディアやSNSなどに紹介されたことで一躍人気になる観光地が増えています。急に増えた観光客に対応するのは大変ですし、それに伴った設備投資や人員不足の負担は少なくありません。また、その人気が長く続けばいいですが 一過性のブームで終わってしまう場合も多々ありますよね。
それなのに一時的に増えた観光客を当てにしたお店を作ったり、駐車場を増やすなど周辺の開発に見切り発車してしまう…長い目で観光地を支えられるよう旅行者も心を配れたらいいですね。
- 旅行者のモラル問題:ゴミをポイ捨てしたり、マナーを守らない観光客
日本でも、数年前に訪日旅行客が爆買いした後のゴミを道路に捨てるのが問題になりました。先日訪れたバリでは、立ち入り禁止になっている寺院に欧米人旅行者が無断で立ち入り、写真を撮ってインスタグラムに載せた事が大問題になっていました。
「旅の恥は掻き捨て」ということわざにもあるように、旅先でモラルを欠いた行動をしてしまう人はいるものですが、大人数になると余計気が大きくなるのか、更に酷い行動に繋がりがちです。
脱・インスタ映え!サステイナブル・トラベルに必要なモラル
旅好きの私たちも、実際にこうした問題を目の当りにしてきました。きっとこうした不愉快な思いをされた方は私たちだけではないはず。ここでは簡単に例をご紹介しますね。
- スタンプラリーのような『映える』旅
実際に自分の目で見て体験する事よりも、有名観光地に行って、有名な/人気の○○を見てきた!とう事実だけを重要視する旅行者は意外と多いもの。 特にインスタグラムに載せる写真のためだけに旅行しているような人も増えた気がします。
先日訪れたバリでは、今大人気の絶景ブランコの写真を撮るために大行列が…。ブランコブームに便乗しようとあちこちで似たようなカフェが現在進行形で建設されていました。でも数年後にもこのブームは続いているんでしょうか?
- 外国人観光客に合わせた街づくり
ラオスのバンビエンは山間の小さな町ながら、欧米人バックパッカーに大人気。川下りなどのアクティビティもその人気を担っていますが、ドラッグを安く楽しめるというのが一番の理由(2012年当時)。町のあちこちに「ハッピー○○」だの「マジックピザ」だのという看板が出ていました。ついでに安くアルコールも飲めて騒げる環境が完備されているので、小さな町なのにクラブが何軒もありました…(欧米人はとにかくクラブが好き)
周囲は美しい田畑が広がり素晴らしい山々に囲まれているんだから、エコツーリズムで売り出したらいいのに、と思わずにはいられませんでした。 地域を活性化させるはずの観光で、自分たちの大切にしてきた土地や文化が損なわれたら嫌ですよね?でも今までの旅行の仕方だと、知らず知らずのうちに自分がその原因になってしまっているかもしれないんです。
今から出来る!サステイナブル・トラベルの15の取り組み
旅先に負担をかけず、自分も旅行を楽しむにはどうしたらいいの?そんな時こそ『サステイナブル・トラベル』の出番。小さなものからちょっと上級なものまで今日から出来る事を考えてみたので参考にしてみてください。
- 地元のお店や市場で買い物をする
- 地元の職人さんが作ったお土産を買う
- 地元の企業や人が運営する宿泊施設に泊まる
- 地元のカフェやレストランで食事をする/地元の料理を食べる
- エコ認証のある施設に泊まる(Green Globe、Earth Check、Green Keyなど)
- 使い捨てプラスチックの使用を減らす
- アメニティを持ち帰らない/エコグッズを持参する
- 大型リゾートホテルやインクルーシブホテルを避ける
- ツアー会社についてあらかじめ調べておく(エコ認定の有無など)
- 出来るだけ直行便を利用する
- なるべく家から近い所を旅行先に選ぶ
- 飛行機ではなく電車かバスを利用する
- 一カ所の滞在日数/時間を長めに取る
- 「サステイナブル」な航空会社を利用する
(Home - atmosfairから各航空会社のCO2排出量を比較することが出来ます)
- カーボンオフセットが出来る便を利用する
サステイナブル・トラベルのポイントは「自然にやさしく・地元にやさしく」です。旅行の楽しみは、全然知らない場所に行って初めてのものに触れるという部分が大きいので、もちろん遠出してもいいんですが、その際は少しでも環境への負荷を減らせる交通手段を選ぶのが大事です。それから旅行中でもぜひ「ゼロ・ウェイスト」を心掛けてみてください。
そして環境や文化に配慮したホテルやツアー会社を選ぶ事や、 地元の企業や産業、地元で働く人たちにきちんとお金が落ちるようにする事も重要。お土産も折角買うなら地元の職人さんが作ったものがいいですね。
大型リゾートやホテルは多国籍資本がほとんどで、開発やサービスも環境にやさしくない所が多いので避けたいところ。 大体こういうホテルはどの国でも似たような感じでつまらなく感じませんか?現地の小規模なホテルにも素敵な所は沢山ありますよ。
私たちが実際やっているサステイナブル・トラベルの取り組み
では実際に私たちが実践しているサステイナブル・トラベルもご紹介します。
- 一カ所での滞在日数をなるべく長くする
- 観光は街歩きメイン
- 老舗の旅館やプチホテルに泊まる
- アメニティを使わない、持って帰らない
- 地元の(小さな)お店で食事&買い物
元々街歩きが好きで、1つの街・場所をゆっくり見るのも好きなわたしたち。 ローカルな雰囲気を味わうための旅ばかりなので知らないうちにサステイナブル・トラベルを実践していた感じです。旅行を楽しみながらでも出来る事は意外と多いもの。ゼロ・ウェイストも始めた事なので、これからはもっと意識していきたいと考えています。
小さなことばかりでも積み重ねが大事だよ。ぜひ出来る事から取り入れてみてね!
サステイナブル・トラベルに取り組む上で注意したいこと
ここまでサステイナブル・トラベルの良いところを挙げてきましたが、最後に気を付けてほしいところもあります。
グリーン・ウォッシング(表面的なエコな取り組み)
これは「ゼロ・ウェイスト」の記事でもご紹介したことですが、サステイナブル・トラベルにおいてもグリーン・ウォッシングは絡んできます。 サステイナブル・トラベルが注目を集めれば集めるほど、それを利用したイメージ戦略やマーケティングも増えてきます。
また、「エコ認証」と一言に言っても、その種類は実に様々。認証を受けるのに厳しい審査が必要なものもありますが、中には簡単な審査で認証が得られるものも少なからずあるようです。 エコ認証の内容は国や地域、団体によっても異なり規格が統一されていないので、旅行者自身で確認するしかないのが現状。悲しいことですが、エコ認証のあるホテルや企業だからと言って妄信しないよう気を付けるしかありませんね。
▼現段階で旅行関連のエコ認証はこれだけあります▼
All ecolabels on tourism | Ecolabel Index
サステイナブル・トラベルとは言え、まず旅行を楽しむ事
サステイナブル・トラベルを気にしすぎて旅行が楽しめなかったら本末転倒。 まずは旅先の雰囲気や食事などを純粋に楽しみましょう。少しずつサステイナブルな選択肢を選んでいけば大丈夫。
また、完璧にする必要は全くありません。旅先でファストフードチェーンでごはんが食べたくなったら食べてもいいし、有名ホテルに泊まってみたっていいんです。なんてったって、旅行は楽しむものだから! 完璧なサステイナブル・トラベラー1人より、不完全なサステイナブル・トラベラー100人の方が大きい変化になるはずです!
脱・インスタ映え旅行!サステイナブル・トラベルへシフトしよう
今までは自分だけが楽しければいい、というような旅行の仕方が一般的だったかもしれませんが、 これからは「自分も旅先の地域や人たちも嬉しい」そんな旅の仕方を考える時代になってきています。サステイナブル・トラベルがこれからの旅行者の常識になりますように。ぜひ皆さんも次回のご旅行にはサステイナブル・トラベルを意識してみてくださいね。わたしたちも楽しく取り組んでいきます!
サステイナブル・トラベルを意識して、その地域の持つ本来の魅力をじっくり味わおう!
▼こんな旅のかたちもおすすめ▼
〈参照ページ一覧〉
- What is Sustainable Travel & How to Travel Better | Charlie on Travel
- 6 Ways to Be a More Sustainable Traveler
- Sustainable Travel: Tips, trends, companies and more
- Tourism ecolabels - ScienceDirect
- サスティナブルツーリズムとは?環境や文化を守ることが、持続的な観光客の呼び込みに | インバウンドNOW