Zero waste / ゼロ・ウェイストって?世界第2位のプラスチック大国・日本でわたしたちが出来ること。

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こんにちは、ぽんかも(妻)です。

 

今日は世界中で大きなムーブメントになっているZero Waste/ゼロ・ウェイストのお話。先日大阪で行われたG20サミットでも海洋プラスチックごみの問題が取り上げられ、話題になりましたね。

 

実は日本は世界でも有数のプラスチックごみ排出大国。一人あたりの排出量は年間32kgにも及び、アメリカに次いで世界第2位です。世界各国がプラスチック・フリーに向けて動いている中、日本は規制にしろ認識にしろ後手後手に回っている感が否めません。そんな日本でわたしたちが出来ることってなんでしょうか?

 

今回は日本におけるゼロ・ウェイストの問題点、今日からできる15の取り組み、ゼロ・ウェイストで気を付けてほしい4つのことなど、初心者の方向けにもわかりやすく解説していきます!

 

Zero Waste/ゼロ・ウェイストってなに?

まず最初に、Zero Waste/ゼロ・ウェイストについて少し。

 

Zero Waste /ゼロ・ウェイスト (Movement):
ごみゼロ(運動)のこと。日常生活で出るゴミや無駄を無くそうという運動。

      ↓ <派生>

Less Waste/レス・ウェイスト:

ごみを極力減らそうとする運動。「ゴミ減らそう」という言葉も同様に使われる。

 

現実的な話をすると、 今の世の中では全くごみを出さないというのはなかなか難しいので、Less Waste/レス・ウェイストの方がより現実的かもしれません。

 

数値で見る!日本におけるゼロ・ウェイストの現状

冒頭でもご紹介しましたが、日本における1人あたりのプラスチック排出量は年間32kg。世界1位のアメリカ(45kg)に次いで、第2位という数値が国連環境計画(UNEP)より報告されています。

 

年間32kgって言われてもピンと来ませんよね? でも実際普段使っているプラスチックで計算してみると、恐ろしい数値になります!

 

容器の種類 重さ 年間消費量 一日当たりの消費量
レジ袋 5g 6400枚 17.5枚
ペットボトルの容器(500ml) 20g 1600本 4.4本
惣菜用プラスチック容器 7g 4571個 12.5個
肉・魚のトレー 2g 16000枚 43.8枚
コンビニ弁当容器 20g 1600個 4.4個
コンビニコーヒー容器 7g 4571本 12.5本

※重さは一般的な容器を想定

 

単純計算なので、例えば「レジ袋17.5枚」というのは、他のプラスチック容器を一切使わなかったときの話です。だとしても! この数値、実際に目の当たりにするとすごくないですか?しかも国民1人あたりです!例えば4人家族の場合、この4倍の数値のプラスチックを毎日使っている計算になります。

 

海洋プラスチックの問題点。ゼロ・ウェイスト意識の薄い日本

では、プラスチックを大量消費すると何が悪いのかという話ですが、単純に資源の無駄遣いという他にもう一つあります。

 

それが、 海洋汚染を引き起こす微小なプラスチック粒「マイクロプラスチック」。現在のペースで「マイクロプラスチック」が増え続ければ、 30年後には「マイクロプラスチック」の量は魚の量を超えるとも言われています。

 

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そんな現状に歯止めを打つべく、2018年にカナダで行われたG7で「海洋プラスチック憲章」が議論されたものの、 プラスチック大国1位のアメリカと2位の日本が拒否。それが今回大阪で開催されたG20でようやく「2050年までにゼロに!」という方針でまとまりました。

 

肌で感じる日本におけるゼロ・ウェイストの現状 

日本でもゼロ・ウェイスト関連の情報を発信される方が増えてきていますが、まだまだ一般的には浸透してるようには思えません。 スーパーやコンビニに行けばほぼ全ての商品がしっかりとプラスチック包装に包まれ並んでいますし、使い捨てや『プチプラ(低価格)』の製品を買って、壊れたり飽きては捨て、また買って…というサイクルがなんだか当たり前になってしまっていますね。

 

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エコバッグを持参したり、マイ箸やマイカップなどを使っていると「意識高いね」なんて言われたり、お肉屋さんなどで持参の容器に入れてほしいと思っても受け入れてもらえなかったりします。(衛生的な問題もあるのでしょうけど…)

 

ゼロ・ウェイストを意識した行動をとっても、現実的に受け入れられる土壌が整っていないというのが、わたしたちが肌で感じた日本の現状です。

 

海外では当たり前!生活に溶け込んだゼロ・ウェイスト

海外ではゼロ・ウェイストやレス・ウェイストは我慢しながらやるものではなく、なんなら おしゃれなライフスタイルとして市民権を得ているくらいです。Instagramで「#Zero Waste」、「#Less Waste」と検索すると、素敵な写真が沢山出てきます。

 

エコバッグ持参は当たり前、量り売り出来るスーパーも多いし、パン屋さんなどで持参した容器に商品を入れてもらえたりと、かなり色々な場面・お店でゼロ・ウェイストという概念が浸透しています。

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この間まで滞在していたオーストラリアでも買い物に行く度にこうした光景を目にし、スーパーが一斉にレジ袋を撤廃したことまでありました!台湾でもプラスチックストローが廃止されるなんて話もありましたね。こうした国では 社会全体として、ゼロ・ウェイストに対する取り組みが積極的に行われています

 

日本語でのゼロ・ウェイスト入門はこちらをどうぞ!

では、「ゼロ・ウェイストについてもっと知りたい!」と思った方向けに、日本語でゼロ・ウェイストの情報をチェックできるサイト様をご紹介します。英語が得意な方はぜひ海外のサイトやSNSも参考にしてみてくださいね。

 

日本にも昔はあった⁉ゼロ・ウェイストな生活の知恵

そもそも日本はどうしてこんなにプラスチックに依存するようになってしまったんでしょうか?日本ならではのおもてなし?衛生観念から?でも野菜1個がプラスチックに包装されているのを見ると、ちょっと過剰になりすぎているように思います。

 

江戸時代の日本はゼロ・ウェイスト先進国だった⁉

ちょっと極端な話ですが… 江戸時代の日本はゼロ・ウェイスト先進国だったんです。ゴミらしいゴミが少なかったことに加え、壊れたものは直し、直せないものは資源として回収され、 ありとあらゆるものが徹底的に再利用されていました。再利用できないものは集められ埋め立てられていましたが、現代に比べたらその量は圧倒的に少なかったと言われています。

 

▼江戸時代のエコな様子を詳しく知りたい方はこちら!▼

「ごみ」のいま・むかし~江戸時代はエコロジーな町~|エコ豆知識|MIC FUN|株式会社ミック

 

2人の幼少期、平成初頭はまだプラスチック少なかったよ!

江戸時代まで遡るとなんだか他人事に聞こえてしまうかもしれませんが、ほんの数十年前までの日本を例にとっても、かつてはもっと環境にやさしかったはずです。

 

かさご(現在30才)は小学生の頃、近所に来るお豆腐屋さんへボウルを持ってお遣いに行ったそうです。わたし(現在30才)も6~7才の頃、田舎の祖母の家にリヤカーを引いたお魚屋さんが来て、直接魚を買っていたことを覚えています。

 

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今のように大型スーパーやショッピングモールがあちこち乱立してもいなかったし、個人の八百屋さんやお肉屋さんだって多くありました。そういうお店では新聞紙や紙に包んで品物を渡してくれました。皆さんの記憶にもあるのではないでしょうか?

 

それなのに、なんでもかんでもプラスチックに入れられていることがいつの間に当たり前になってしまったんでしょう?

 

日本のプラスチック社会にこそゼロ・ウェイストを!

ここまでプラスチックが日常的に使われるようになっている今、プラスチックを廃止したり、完全なゼロ・ウェイストの生活を送ることは難しいと思います。 でも少しずつ変えていくことは出来るはずだし、変えていかなければいけません

 

今日からできる!日本のわたしたちに出来るゼロ・ウェイスト 15の方法

では実際に、私たちは個人レベルで何ができるのか。ここでは今日から始められる15の方法をご紹介します!

 

  • エコバッグを持参する
  • 古着や古道具を購入する
  • 地元の個人商店で買い物をする
  • なるべく簡易包装の商品を選ぶ
  • 外食はテイクアウトではなく店内で
  • 容器を持参の上、お肉やお魚を買う
  • プラスチック製品の購入を減らしていく
  • 壊れたものは修理して使う、修理できるものを買う
  • ペットボトル飲料を買わない=マイボトルを持ち歩く
  • お弁当を持参(ゴミも出ないし、お財布にも健康にも◎)
  • ネットショッピングの回数を減らす(梱包材ごみを削減)
  • 使い捨てのカトラリーを断る=マイ箸やマイカトラリーを持参
  • ビン・缶・紙など、リサイクル可能なものに入った商品を買う
  • 企業に対して声を上げる(簡易包装へのシフトやリサイクルを訴えるなど)
  • 日本/地元の企業や工場で作られる商品を買う(輸送にかかるエネルギー削減)

 

こうやって挙げてみると小さなことばかりで当たり前に思えるかもしれませんが、実践するとなると意外と難しいもの。わたしたちも本格的な実践は最近始めたばかりですが、ついエコバッグを忘れてしまったり、マイ箸を使うのが気恥ずかしかったり…。

 

でも1人1人の小さな積み重ねが大きな変化を起こすのだと信じています

  

おしゃれで可愛い!日本の生活に溶け込むゼロ・ウェイスト・グッズ

「ゼロ・ウェイスト、始めてみようかな…」と思って下さった方もいらっしゃるでしょうか?折角なら楽しい気持ちでうきうき取り組みたいですよね?

 

ゼロ・ウェイストやレス・ウェイストは制約ばかりの辛い活動では ありません。楽しく地球にやさしいライフスタイルです!ここでは「楽しくゼロウェイストを始めてみたい!」という方向けに、ゼロ・ウェイスト・ライフを彩る道具をいくつかご紹介しますね。

 

  • 水筒 

MokuNeji | 木工轆轤とネジ切り加工

スタイリッシュなデザインもさることながら、職人さんの技が光るスリムなボトル。お値段は少し張りますがその分長く使えそう。何より日本の職人さん・日本の企業を応援するのにもぴったり!

 

  • ステンレス製のお弁当箱 

( 株式会社アイザワ(日本の伝統工芸を生かす工房アイザワの道具) 

新潟県燕市の老舗道具店が作るステンレス製お弁当箱。銀色が美しく、蓋まですべてステンレス製なので洗うのも簡単です!

 

( 曲げわっぱ 栗久 

日本のお弁当箱と言えば曲げわっぱのお弁当箱。栗久さんは秋田を代表する曲げわっぱの老舗会社。時間が経ってもごはんが美味しく食べられるお弁当箱です。

  

  • 蜜蝋ラップ 

 aco wrap | 洗って何度も使える天然ラップ )

使い捨てラップの代わりに何度でも使える蜜蝋ラップ。元々はオーストラリアで生まれたものですが、今回ご紹介するのは日本製にこだわったaco wrapさんのもの。草木染の優しい色が素敵です。

 

( 布ナプキン専門店 ジュランジェ 本店 〜かわいく、心地よく。 )

生理用品は知らず知らずのうちにかなりのごみの量になってしまいます。布ナプキンなら洗って何度でも使えるし、体にもお財布にも優しい!

 

私自身こちらのジュランジェさんで3年前にセットを購入しました。まだまだ使えるし、何よりひどかった生理痛がほとんどなくなりました!布ナプキンに関しては色々語りたいので(笑)また別記事でまとめますが、本当におすすめです !

 

気を付けて!ゼロ・ウェイストで陥りがちな4つの落とし穴

さて、ここまでゼロ・ウェイストがいかに素晴らしい運動かをお届けしてきましたが、実は「ここには気を付けてほしい」なと思う事も少しあるので、ここで4つのポイントをご紹介しておきたいと思います。

 

  1. ゼロ・ウェイストは形から入りすぎない
  2. ゼロ・ウェイストを押し付けない
  3. ゼロ・ウェイストは出来る事からやる/完璧を目指さない
  4. グリーンウォッシングに気を付ける

 

ゼロ・ウェイストは形から入りすぎない

グッズの紹介をした後でなんですが… 「ゼロ・ウェイスト始めよう!そのためにあれもこれも買おう!」となるのはちょっと待った!既に持っているもので十分対応できるかもしれません。水筒を買う前にペットボトルを洗って何度か使ったり、エコバッグを買う前に家にあるビニール袋を使うなど。

 

もちろん手元にないもので、それを買う事によってごみを減らせるなら買ったらいいと思います。でもゼロ・ウェイスト、エコじゃないからと言ってまだ使えるプラスチックのお弁当箱を捨てて木のお弁当箱を買うのは本末転倒。

なにより大切なのは、今あるものを最後まで使い切ること!形から入りすぎず少しずつシフトいこう!

 

ゼロ・ウェイストを押し付けない

ゼロ・ウェイストを意識し始めると、日常生活で色々と目につくようになってきます。家族がコンビニで使い捨てスプーンをもらってくる、リサイクルの分別がめちゃくちゃ…自分はこんなに気を付けてるのに!これじゃ何も変わらない!と焦ってしまうこともあるかもしれません。

 

でも押し付けられて気分の良い人はいないはず。 まずはゼロ・ウェイスト・ライフを楽しんでいる姿を見てもらいましょう

何やってるの?と聞かれたら布教のチャンス!しめしめ…

 

ゼロ・ウェイストは出来る事からやる/完璧を目指さない

現代社会ではまったくごみを出さずに生活するのはほぼ不可能。ごみが出るからあれもこれも買えない!では苦しくなってしまいます。スーパーでさえ何も買えないですよね?

 

最初から完璧を目指すのではなくて、簡易包装の商品を選ぶ、より長く使えそうなものを買う、そんな小さな出来る事から始めましょう

小さな1歩がきっと大きな変化になるよ!

 

Greenwashing(グリーンウォッシング)に気を付ける

これは正直、非常に厄介な存在です。

グリーンウォッシング(Greenwashing):

(企業・組織による)偽善的な環境への配慮という意味。『環境にやさしい』『エコ』な商品です!と謳っていながら実態は違うこと。また、環境に悪影響を与えている企業が他の社会貢献活動をアピールすることでその行為をごまかそうとすること。

(参照:グリーンウォッシングとは・意味 | Sustainable Japan

 

買い物の際に気を付けなくてはならないのが、 環境問題への関心の高さを逆手に取って、消費者を騙している企業です。例えば『オーガニックコットン』の紙おむつがあったとします。でも実際は表面の一部分以外は全くオーガニックコットンではなかった!これは限りなく黒に近いグレーゾーンですよね。 より安心、よりエコな商品にはお金を惜しまない消費者が増えている分、利益のためだけに印象操作をしている悲しい事例が沢山ありそうです

 

グリーンウォッシングかどうかを見抜くのは難しいですが、きちんと環境に配慮している会社や製品なら自社サイトでしっかりとしたデータや情報を開示しているはずなので、パッケージや広告の耳障りの良い謳い文句に騙されず、しっかりと自分の目で確認・判断するのが大事だと思います。

何事も鵜呑みにするのは良くないよ

 

<まとめ>日本でできるゼロ・ウェイスト

 日本には元々ものを大事にする「もったいない」精神が根付いていました。目まぐるしく変化していく中で忘れかけてしまっているかもしれませんが、ゼロ・ウェイストをきっかけに「もったいない」感覚を取り戻していきたいですね。

 

わたしたちもまだ始めたばかりで失敗や試行錯誤の毎日ですが、少しずつ取り組んでいくつもりです。このブログでもシェアしていく予定ですので、今後ともぜひお付き合いください。そして一緒に楽しいゼロ・ウェイスト・ライフを送りましょう!

 

長くなりましたが、最後までお読みいただきありがとうございました。