「無農薬」「有機栽培(オーガニック)」の落とし穴 ~都会育ちの僕が田舎で農家を渡り歩いて気づいたこと~

こんばんは!かさご(夫)です

 

中四国ぶらり旅2017】も終わり、岡山県で借りた田舎の古民家でのーんびりとしております。田舎のすばらしさを感じると同時に、田舎ならではの人間関係に戸惑ったりもしつつ・・・こうした話もまた追々お届けしていきますね!

 

さて、今日はタイトルのとおり「無農薬」「有機栽培」の落とし穴について。いろんな田舎を転々としつつ、いろんな農家さんのお手伝いをしている僕らですが、「無農薬」「有機栽培」について感じたことがあったので、ぜひ共有したいと思います。

 

もちろん僕らはプロの農家でもなければ、専門知識もありません。でもいつもスーパーで「無農薬」「有機栽培」という言葉についつい手が伸びてしまう方には、ぜひ一度読んでほしい内容です!

 

 

 

無農薬・有機栽培(オーガニック)の定義

 

僕らも農家さんに聞くまで詳しくは知らなかったのですが、「無農薬」と「有機栽培(オーガニック)」の定義について簡単に。

 

 

無農薬野菜や果物そのものに、農薬をかけない栽培方法

 

有機栽培野菜は2年、果物は3年以上の間、農薬や化学肥料を一切使用していない畑で育てる栽培方法(オーガニックと同義)

 

非常に似ている2つの言葉ですが、微妙に意味が違うんですね。「無農薬」の発展版が「有機栽培」という風に考えるとわかりやすいかもしれません。

 

 

「無農薬」と「有機栽培」の落とし穴っていったい!?

 

僕らも実際にスーパーで野菜や果物を選ぶとき「無農薬」と「有機栽培」を買うこともあります。普通のものよりも安心して食べられるので、もう「無農薬」と「有機栽培」じゃなきゃ絶対に買わないっていう方も結構いらっしゃいますよね

 

じゃあ、いったい「無農薬」と「有機栽培」の何が落とし穴なのか。

 

「無農薬」と「有機栽培」って聞くと、思わず手が伸びてしまいますよね?すごく悪い言い方をすると、それを「逆手にとって」、農薬かけなきゃ売れるだろうって雑に栽培する農家さんも残念ながらいるということなんです!

 

僕らもいろんな農家さんに会ってお話をしてお手伝いして、すごーく好きな農家さんから、全然好きになれない農家さんまでいろんな方と出会いました。そんな好きになれない農家さんはどういう人かというと、「無農薬って言えば売れるから」という考えをもった人なんです。

 

もちろん農薬を使っていないという事実は本当です。それを嘘ついたら詐欺になりますからね。でもこういう農家さんの畑は「自然」という言葉を盾に、荒れ放題!雑草もすごいことになってるし、野菜や果物がどこにあるのかわからないことも多々。実際に収穫すると、邪魔なものが多すぎていつもの倍以上疲れてしまいます。

 

そして雑草伸び放題だったら、もちろん養分も雑草にもっていかれますよね。そういう農家さんの野菜や果物は、食べてみると甘みとか旨みが少なくて、あまりおいしくないんです!

 

さらにこういう野菜や果物は見た目も悪く、とても「おいしそう」と見ただけで言えるようなものではありません。

 

でも「無農薬」と「有機栽培」という言葉だけを聞いて口にしている消費者たちは、それをおいしいと信じてやみません。それが「自然の味」だから。頭の中に「無農薬・有機栽培=美味しい」の構図ができてしまっているから。

 

これが残念ながら、「無農薬」「有機栽培」に隠された落とし穴なんです。

 

 

「無農薬」「有機栽培」は、もちろん大事なこと

 

「無農薬」「有機栽培」を否定する気は全くなくて、むしろそういう発想は僕らも賛成です。真剣にこうした栽培方法に取り組んでいる農家さんもいーっぱいいるし、そういう農家さんはいっぱい応援したい。映画にもなった「奇跡のりんご」農家さんのように、とっても素敵な農家さんたちもいっぱいいます!

 

でもさっきみたいな残念な農家さんがいることも事実。そういう農家さんの野菜や果物だったら、農薬を使っても大事に大事に育てている農家さんの野菜や果物のほうがはるかに美味しかったりします

 

 

農産物の美味しさは、結局は愛情だという(くさい)話

 

じゃあ結局のところ、何が美味しいの?読者の皆さんもきっとそうお思いでしょうし、僕らも何度も考えました。

 

とっても美味しい無農薬もあれば、すごくまずい無農薬もある。農薬を使っていても美味しいところは美味しいし、なんなんだーっ!?て、そんなことをずっと考えていた時期もあります。

 

でも、いろいろ悩んだ挙句、たどり着いた答えがこちら。

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愛情をもって育てているかどうか。これに尽きます。

 

ちょっとくさいですが、愛情たっぷりで育てられた野菜や果物が一番美味しいです。愛情たっぷりの農家さんで働くのは僕らも大好きだし、そういう農家さんは農産物をかわいいかわいい子や孫のように扱います。

 

「この子、最近雨降らないからすねちゃったよ」とか、「この子きれいに育ったなー」とか、農家さんのそういう言葉が僕らは大好きで、そうやって愛情たっぷりで育てられた農作物が一番美味しいんだと思います。

 

ちなみに僕らが一番長く働いたみかんに関して言えば、農家さんに食べさせてももらったみかんの中で言葉を失うほど美味しかったみかんが2つあります。1つは農業を全力で楽しんでいる30代の方の「せとか」という品種。もう1つはみかんをわが子のようにかわいがる50代の方の「スタールビー」というグレープフルーツ。この2つをそれぞれの農家さんで食べたときの感動と言ったら今でも忘れられないのですが、ちなみにその農家さんは2人とも農薬を使う農家さんでした。

 

 

ストーリーを知って農作物を買おう!

 

じゃあ、そんな愛情を持った農家さんかどうかなんて、どう判断したらいいの?

 

これは僕らも何度も考えたんですが・・・

すいません、分かりません!(笑)

というか、生産者も表示されていない農作物や、書いてあっても名前が印字されただけの農作物は、それだけで分かりようがありませんよね。

 

でも僕らみたいに実際にいろんな農家さんと出会っていれば、その農家さんから直接買うということもできますし、そうでなくてもいろんな農家さんはホームページを持っていたりするので、そのページで農家さんのことを知って買ってみるということもできます。あとはスーパーでも笑顔の素敵な農家さんの素敵ストーリーがポップに書いてあったりしますよね。人間50歳を超えると顔にすべて表れてくるので(こちらの記事参照:中国富裕層の結婚式に参列してわかった「お金と自由」)、これも一つの手段になると思います。

 

ということで、こういう農作物を買え!というようにシンプルな指標を示すことは残念ながらできないのですが、『「無農薬」「有機栽培」=安全で美味しい』となんとなく信じていた人達、中にはそう信じてそれ以外のものは一切口にしない人達もいたりするので、そうした考えの「落とし穴」を今回は紹介しました。

 

結局のところ、何事も愛情ですね。

 

今日はそんなちょっとまじめなお話でした!

 

 

 

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愛情たっぷりなみかん農家さんの、愛情たっぷりな畑。ここで育ったみかんが人生で一番おいしかった