こんばんは!かさご(夫)です
中四国ぶらり旅も一段落し、ただいま岡山の小さな村でのんびりしております。旅の詳細はまた移動したらご報告するとして、今日のご報告としましては・・・風邪ひきました。かなり久しぶりに。と言っても鼻が止まらずに頭がボヤーっとするだけなので大したことはないんですが。
で、本題はと言いますと、風邪を引いて大事をとって部屋でウダウダして、久しぶりにテレビをつけたんです。僕らもともとテレビを見ない二人で、前住んでたときは自分の家にテレビもずっとなかったほど。まあ結局、2014年のワールドカップの時にサッカーを見たいと言う理由だけで買ったんですが、それ以降もスポーツ以外ではテレビ見ないんです。
そして昨日久しぶりにテレビを見てて、すごく違和感を覚えたことがあったので、今日はそのお話。風邪でも引いたので、たまにはまじめな話をしようと思います。
日本のテレビ番組を海外と比較したとき、いろんな特徴があります。バラエティが多すぎるとか、ゴールデンにニュースほぼやってないとか、、、数え上げたらいっぱいあるんですが、その中の一つに字幕の使い方があると思います。
特にバラエティなんですが、ほぼすべてのシーンで字幕がつけられます。出演者の話すことが全て字幕で流れることも多々。「その方がより面白おかしく構成することができるという理由でつけられる」という話を聞いたことがありますが、そうすると何が起こるかと言うと、視聴者は聞いて理解するんではなくて、読んで理解するんです。それは対話と言うより、どちらかと言うと読書に近い感覚。
もちろん耳が聞こえない方のために、そうした字幕は役立つということはあるのですが、もう少し選択できるようになっててもいいのに。音声を副音声とか選べるように。字幕を追って見るテレビは、なんか「聞くよりも読む媒体」と化していて、もはや本来のテレビではないなあという気がしたのです。
そして本題はここから。
テレビ番組の中に登場する外国人のセリフの扱い方です。
テレビで外国人のコメントを流すとき、大きく次の2種類があります。
・音声はそのまま、日本語字幕をつける
・音声を日本語に吹き替えてしまう。字幕はあってもなくてもOK
僕の記憶では(と言っても10年ほど前)、もともと前者のパターンが圧倒的だったと思います。でも昨日久々にテレビを見て、ありとあらゆるシーンで後者が使われていたのには、正直ビックリしました
別にどっちでもいいじゃないか。
その通りかもしれません。でも今のやり方には、大きな危険があることも知っていてほしいのです。
それは、吹き替えてしまえば、セリフはいくらでもコントロールできてしまうということ。
つまり、昔のように音声そのままで字幕だけ日本語だったら、その言語を習得している人たちは音声だけで何を言っているかわかります。だから、字幕があまりにもかけ離れていたら、この訳おかしいじゃないか!って気づくんですね。
でも音声を消して吹き替えてしまったらどうなるか。吹き替えのセリフを考えるのは番組側。本当は何を言っていようなんて別にどうでもよくなって、コメントを翻訳しなくたっていい。もはやどんな言葉ををあてはめてもいい、いわば「虫食いの台本」になってしまうんです!
一回話はそれて、最近のテレビの特徴の一つが、日本称賛型番組の多さです。Cool JAPAN という言葉を皮切りに、「日本はすばらしい!」っていうスタンスの番組がすごく多くなっています。
僕もこういう番組はたまに見ると面白いなぁと思います。でも、何も日本だけがすばらしいわけじゃない。世界にはいっぱいすばらしいものがあるし、それを日本が日本が!って言うのには、かなり抵抗があります。日本の良い面だけをそんなに押し付けなくても。東京オリンピックに向けてなのかはよくわかりませんが、極端な話、日本にだってダメな所はあるし、日本以外にもいいところたくさんあるよ、って。どの国も良いとこと悪いとこがあって当たり前。そんな公正さを忘れて、日本の良い所だけにフォーカスしてあれこれ言うのはなんだかな。
そしてここで先ほどの話に戻ります。こうした番組での「外国人から見た日本」みたいなコメントに、先ほどの危険性がかなり顕著に見られるのです。
むかしあるニュースでも話題になりましたね。韓国人の男の子が「日本とは仲良くしたい」みたいなコメントをしたのに、字幕で「日本なんて大嫌いだ」って訳した一件。まあこれは音声をそのままにしていたので、韓国語のできる人たちから批判が殺到したらしいですが。
でもこれで音声を消して、吹き替えにしてしまったら・・・もうどういうコメントをあてはめるかは番組側の「自由」
この間もテレビでこんなシーンがありました。
「日本サイコー!」「日本ってなんてクールなの!?」
そんなことを大声で言っているブラジル人がいましたが、たぶんそんなことブラジル人は言わないし、そんな発言をポルトガル語に戻したとしてもあのシーンには絶対あいません。もちろん日本の製品や日本をすごいと誉めているコメントかもしれません。でもあまりにもコメントの作られた感がすごかったので、さすがに「ちょっと待て!」と思ったのでした。
「自分の頭で考える」ことがかなり必要になってくるいまの世の中。来たものを鵜呑みにするのではなく、ちょっと考えることが大事ですね。
風邪気味なので、今日はそんなまじめな話でした。
また次回は楽しい旅のお話をしたいと思います!お楽しみに!
ああ世界はすばらしい!